宮沢賢治さんという人

宮沢賢治さんという人を調べ始めたんですが、調べれば調べるほど深みにハマっていく気がしてなりません…。
アメニモマケズの詩のイメージが強く、晴耕雨読の朴訥な童話作家みたいな印象があったんですが、いやいやいやいや、すごいですね、賢治さん。
おそらくその人間性の根幹を貫いているであろう、法華経への信仰と、その宗教観に基づく世界への探求心と博愛的な認識感。
人間を、全面的に肯定するように、自分が生きる大地や風土、自然を全面的に肯定し、その世界で、そこに住む人が、幸福に生きるにはどうすればいいのか、問い続ける。
しかも、単に学問的に追及するだけでなく、自ら教職を退いて、ある意味、野に下り、農家の一人としての生活実践を通じて、みんなの幸せを求めた、在野の宗教家と言ったらいいんでしょうか。
そこにまた、作家としての創造性も共存するという奇跡。
数々の詩と童話。作曲もすれば、絵も描く。チェロなどの楽器もたしなむし、演劇作品を作って、生徒たちと上演する。
地質や農業に関する科学者のような一面、
数々の作品群を生み出すアーティストの一面、
そして、世界の幸福を追い求めた宗教家としての一面、
一つ一つの側面が突出していて、これが一人の人間の中に集約されているという凄さ。
その、人間的な根幹が、自分なりにかすかにでもつかめれば、御の字だなぁと思います。

職業柄、しみじみ思います。
こういう人は、幼児期にいったいどういう生活の姿を見せていたのだろうか、と。
これから来年の5月まで、この類まれなる人と一緒に生活していけるのが、とても幸せです(笑)